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October 10, 2019

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NETFLIXの最強人事戦略 – 人事が思い悩む人事考課と報酬制度設計

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ヒト・モノ・サービスが急速にコモディティ化する時代、これに立ち向かう施策には「スキルの掛け算」や「お金では買えない経験を積むこと」が挙げられるが、技術職に+αできるスキルかつ、自分が興味を持てる分野が無いか考えた時、人事・組織作りがふと思い浮かんだ。

ただ人事・組織作りに関わった経験もなく、何から手をつけて良いのやら。そんなモヤモヤを抱えている時、人事に関わる知人から紹介されたのがこちらの一冊。

冒頭で全てのチーム・企業に当てはめる事は出来ないと紹介されており、確かに一読した感想は強者(グローバル企業)だから出来る戦略との印象が強く、多くの日本企業では導入が非現実的。

ただAmazonレビューは上々で読み物として面白く、報酬制度や評価のやり方は考えさせられた。

公正な評価・報酬制度とは

グローバル企業らしい物言いが多い中、考えさせられたのが評価・報酬制度の話。

私は過去5社の企業で働いた経験(主にIT系のSES企業)があり、また知人を介して様々な企業の報酬制度について話を聞いてきたが、企業の数だけ多種多様で正解の無い難しい課題の一つだと感じる。

人事考課を元に報酬を連動させるのが一般的で、従来の制度では会社で働く期間に身につけたスキル価値が考慮されにくい。また市場水準を目安に給与レンジを決める方法では、トップパフォーマーの人材密度を高く保てないため、NETFLIXでは人事考課と報酬制度を分離する方式を採用されている。

そもそも人事考課は人事の時間を多大に使う上、業績や顧客への貢献度が不明なケースも多く、正直イマイチ…また人事考課を行うことが業績評価指標(成長・利益・事業の成果を測る指標)の向上に繋がっているかと言われれば、まあ微妙。

労力を費やす人事考課に力を入れるより、顧客に優れた製品・サービスを届ける人材に割いた方が圧倒的に成果が上がるので、NETFLIXは以下の点に重きを置いて報酬制度を構築したと言っている。

POINT報酬制度は業績志向(業績に対してどれだけ貢献したか)を最重要視.

業績への貢献度を明確に打ち出す事で、上司から気に入られているとか、年功序列みたいな不条理は無くなるし、そもそも無い袖(売上以上の給与)は振れない訳なので分かりやすい。

IT企業における評価制度

NETFLIXやGoogle、国内で言えばYahooのような自社プロダクトを持っている企業は別にして、大多数(SESや受託がメイン)のIT企業では、どんな評価・報酬制度がベストなのか!?

一般的には半期毎に目標を立て、その人事考課の結果で給与(ボーナス額)支給する制度だが、評価基準は曖昧、SESでは直属の上司が現場にいないこともザラで、皆が納得する評価が行われるか謎。

その問題を解決する手法として、以前勤めていたSES企業では、客先との契約単価に応じ、給与が算定されるフリーランスのような報酬制度(情報のオープン化も◎)だったので、SESという業態には合っているかもしれない(良い悪いは人それぞれだけど)

ちなみに本書を参考にベルフェイスさんは給与制度に市場価値の考えを取り入れ、独自制度を構築されており、ホント会社の数だけ多種多様だが、市場価値の観点は◎(金が無いと出来ないけど)

そもそも人が働く理由とは!?

一般的な人事制度では 頑張った人が報われる or 成果を出した人が報われる と一見合理的な因果応報思想だが、一方で殆どの企業でうまく機能せず、未だ洗練された形で運用されていないのも事実。

また哲学者の内田樹さんは著書 日本の文脈 の中で 自分の努力に対して正確に相関する報酬が受け取れるというシステムがあれば、人間が働くと思ったら大間違いで、労働と報酬が正確に数値相関したら人間は働かない、だって何の驚きも何の喜びにもならないから の旨を指摘。

こちらの書籍でも、その話が紹介されていた。

また報酬と動機を考える上では、マックス・ウェーバーの プロテスタンティズムの論理と資本主義の精神 におけるカルヴァン派の予定説が資本主義を発達させた考察を知ると尚悩でしまう。

予定説の考えでは、神に救われる人間は生きている間、どれだけ善行を働こうが、逆に悪行を働こうが関係なく、既に決まっているもの。こう聞かされると皆諦めて堕落しそうですが、現実にはそうならず、現代の資本主義に大きく寄与している

一体どんな論理で人は労働に励んだのか!?

POINT全能の神に救われるよう決められた人間であれば、禁欲的に天命(職業)を務めて成功する人間だろうと考え、自分こそが救済されるべき選民との証を得るべく、禁欲的に職業に励んだ!!

なんだか詭弁のようにも聞こえるけど。

ただユヴァル・ノア・ハラリも虚構を作り出す人類の強さを書いているし、学習心理学の世界でも 予告された報酬 が動機付けを減退させるが明らかになってるらしい。結局どんな制度設計にしろ、誰かしら文句言うだろうから正解は無いんだろうけど、人事設計を考える人って大変だな。


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